真空成形機を比較|掃除機・ハイブリッドポンプ・単一真空ポンプの違い
真空成形機で使われる代表的な真空源は、外付け掃除機、ハイブリッドポンプ、単一真空ポンプの3種類に分けられます。それぞれ最高真空度だけでなく、Pressure–Flow Curve(圧力-流量曲線)にも違いがあります。
真空成形機に掃除機は必要ですか?
必ずしも必要ではありません。真空ポンプを内蔵した真空成形機であれば、別途掃除機を接続する必要はありません。外付け掃除機を真空源として使用する機種の場合のみ、掃除機を別途用意する必要があります。
MYYARDがこれまで実際に採用してきた真空源を例にすると、FORMART Liteは外付け掃除機を使用し、テスト時の真空度は約 -10~-20 kPa でした。一方、FORMART S と FORMART 3 は真空ポンプを本体に内蔵しているため、別途掃除機を接続する必要はありません。
ただし、「掃除機が必要かどうか」は真空源を比較する際の最初の違いにすぎません。真空成形機を比較する際は、真空度、吸引流量、Pressure–Flow Curveについても確認する必要があります。真空源の構成によって、真空を形成する過程が異なるためです。
真空成形機にはどのような真空源がありますか?
真空成形では、負圧を利用して加熱したプラスチックシートを金型に密着させます。そのため、「真空源」は真空成形機を構成する重要な要素のひとつです。
代表的な方式は、以下のように分類できます。
| 真空源の方式 | MYYARDの採用例 | 真空度 | 構成 |
|---|---|---|---|
| 外付け掃除機 | FORMART Lite | 約 -10~-20 kPa | 外付け掃除機を使用 |
| ハイブリッドポンプ | FORMART 2 | 最大 -90 kPa | DCブラシレスポンプ+AC誘導式真空ポンプ |
| 単一真空ポンプ | FORMART S | 最大 -90 kPa | AC誘導式真空ポンプ |
| 単一真空ポンプ | FORMART 3 | 最大 -92 kPa | 300W真空ポンプ |
スペックだけを見れば、それぞれの機種の最高真空度を簡単に比較できます。
しかし、ハイブリッドポンプと単一真空ポンプをさらに詳しく比較する場合、「最大何kPaまで到達できるか」だけでは十分ではありません。Pressure–Flow Curve全体を見る必要があります。

掃除機を使って真空成形できますか?
はい。外付け掃除機は、一部の入門向け・DIY向け真空成形機で真空源として使用されています。MYYARDの旧モデル FORMART Liteも、この方式を採用していました。
使用時は掃除機を真空成形機に接続し、掃除機が発生させる負圧を利用して成形します。
MYYARDの過去のテストデータでは、このタイプの掃除機の真空度は約 -10~-20 kPa でした。
実際の真空成形では、外付け掃除機について次のような特性も確認されています。
- 真空度:約 -10~-20 kPa
- 流量が大きい
- 気流による影響が大きい
- プラスチックシートが急速に冷却されやすい
そのため、MYYARDでは後のFORMART Sで、この真空源の構成を変更しました。
FORMART LiteからFORMART Sへ、なぜ掃除機から内蔵真空ポンプに変更したのですか?
FORMART Sでは、FORMART Liteで必要だった外付け掃除機方式から、単一のAC誘導式真空ポンプ(AC Induction Pump)を内蔵する方式へ変更し、最大 -90 kPaの真空度を実現しています。

FORMART Lite
- 外付け掃除機
- 約 -10~-20 kPa
➡️

FORMART S
- 単一真空ポンプを内蔵
- 最大 -90 kPa

真空源を本体に直接内蔵することで、別途掃除機を接続する必要がなくなりました。
これは、MYYARDが外付け式の真空源から内蔵真空ポンプへと発展させてきた製品進化のひとつです。

ハイブリッドポンプとは?FORMART 2にはなぜ2つのポンプがあるのですか?
単一真空ポンプのほか、市販の真空成形機にはハイブリッドポンプという方式もあります。
MYYARDの旧世代モデル FORMART 2では、以下の構成を採用していました。
DC Brushless Pump + AC Induction Pump
つまり、DCブラシレスポンプ+AC誘導式真空ポンプを1台の装置に組み込んだ構成です。
FORMART 2の最高真空度は -90 kPa で、Vacuum Sensorと真空圧力調整機能も搭載しています。
最高真空度だけを見ると、FORMART 2と単一のAC誘導式真空ポンプを採用するFORMART Sは、どちらも -90 kPaに到達できます。
しかし、その後FORMART 2のPressure–Flow Curveを検証したところ、2つの真空源構成には、もうひとつ注目すべき違いがあることが分かりました。
ハイブリッドポンプと単一真空ポンプの違いは?
MYYARDが実際に取得したPressure–Flow Curveを見ると、FORMART 2のハイブリッドデュアルポンプでは曲線に凹みが見られるのに対し、単一真空ポンプを採用したFORMART 3では、単一の連続した傾きを示します。
これは、FORMART 2とFORMART 3の真空システムにおける重要な違いのひとつです。


FORMART 2
ハイブリッドデュアルポンプ
- DC Brushless Pump + AC Induction Pump
- 初期流量 > 200 L/min
- 最高真空度 -90 kPa
- Pressure–Flow Curveに明確な凹みがある
➡️

FORMART 3
単一真空ポンプ
- 単一300W真空ポンプ
- 初期流量 約110 L/min
- 最高真空度 -92 kPa
- Pressure–Flow Curveは単一の連続した傾き
真空成形は最高真空度だけでは比較できない
成形開始時、プラスチックシートはまだ高温で、成形しやすい状態にあります。しかし、吸引、金型との接触、放熱が進むにつれてシートの温度は徐々に低下します。そのため、実際に有効な成形時間には限りがあります。
FORMART 2はハイブリッドデュアルポンプ方式を採用し、初期段階では大きな流量で空気を素早く排出し、その後低流量・高真空の動作領域へ移行します。Pressure–Flow Curveを見ると、この2つの動作領域の間に明確な傾きの変化が確認できます。

ポイントは、システムがさらに高真空領域へ移行する時点では、プラスチックシートがすでに前半の吸引、気流による影響、金型との接触によって冷却されていることです。材料の温度と成形性は成形開始時より低下しているため、より高い真空度を必要とする細部の再現段階では、性能がやや不足する場合があります。
ただし、約 -10~-20 kPaの外付け掃除機のみを使用する真空源と比較すると、FORMART 2のハイブリッドデュアルポンプは最大 -90 kPa に到達できるため、真空成形能力は大きく向上しています。
FORMART 3では、さらに単一300W真空ポンプへ変更されました。初期流量約 110 L/min から最高 -92 kPa まで連続したPressure–Flow Curveを示し、ハイブリッドデュアルポンプの異なる動作領域によって生じる曲線の凹みがありません。
つまり、真空成形機を比較する際に重要なのは「最高でどこまで真空度を上げられるか」だけではありません。プラスチックシートが成形可能な限られた時間内に、真空システムが高流量領域から高真空領域までどのように真空を形成していくかも重要です。

FORMART 3はなぜ単一300W真空ポンプを採用したのですか?
FORMART 3では、FORMART 2のハイブリッドデュアルポンプから単一300W真空ポンプへ変更され、最高真空度は -90 kPaから -92 kPaへ向上しました。同時に、Pressure–Flow Curveも凹みのある曲線から単一の連続した傾きへと変化しています。
| 比較項目 | FORMART 2 | FORMART 3 |
|---|---|---|
| 真空源 | ハイブリッドデュアルポンプ | 単一真空ポンプ |
| ポンプ構成 | DCブラシレスポンプ+AC誘導式真空ポンプ | 300W真空ポンプ |
| 最高真空度 | -90 kPa | -92 kPa |
| Pressure–Flow Curve | 凹みあり | 単一の連続した傾き |
最高真空度だけを見ると、その差は約2 kPaです。
しかし、Pressure–Flow Curve全体を見ると、2つの真空源構成では曲線の特性が異なります。
そのため、FORMART 3の進化を単純に「-90 kPaから -92 kPaへの向上」とだけ捉えることはできません。
もうひとつの大きな変更点は、「ハイブリッドデュアルポンプから単一300W真空ポンプへの変更」です。
真空成形機はなぜ最高真空度だけで比較できないのですか?
最高真空度は真空源の性能を示す指標のひとつにすぎないためです。Pressure–Flow Curveを見ることで、真空度の変化に伴って流量がどのように変化するかも確認できます。
FORMART 2とFORMART 3を例にすると:
FORMART 2は最大 -90 kPa、FORMART 3は最大 -92 kPaに到達します。
この2つの数値だけを見ると、大きな違いはないように見えます。
しかし、Pressure–Flow Curveを加えて比較すると、次の違いが見えてきます。
FORMART 2:ハイブリッドデュアルポンプ、曲線に凹みあり
FORMART 3:単一真空ポンプ、単一の連続した傾き
そのため、市販の真空成形機を比較する際は、最高真空度だけでなく、どのような真空源を採用しているか、そしてPressure–Flow Curve全体がどのように変化するかも確認することができます。
掃除機・ハイブリッドポンプ・単一真空ポンプの違いは?
| 比較項目 | 外付け掃除機 | ハイブリッドポンプ | 単一真空ポンプ |
|---|---|---|---|
| MYYARDの採用例 | FORMART Lite | FORMART 2 | FORMART S/FORMART 3 |
| 真空源の位置 | 外付け | 内蔵 | 内蔵 |
| 実測値/仕様上の真空度 | 約 -10~-20 kPa | FORMART 2:最大 -90 kPa | FORMART S:最大 -90 kPa;FORMART 3:最大 -92 kPa |
| ポンプ構成 | 外付け掃除機 | DCブラシレスポンプ+AC誘導式真空ポンプ | 単一真空ポンプ |
| Pressure–Flow Curve | — | FORMART 2:凹みあり | FORMART 3:単一の連続した傾き |
| 外付け掃除機 | 必要 | 不要 | 不要 |

MYYARDの製品開発を見ると、真空源には2つの明確な進化があります。
- FORMART Lite → FORMART S
- 外付け掃除機 → 単一真空ポンプを内蔵
- 約 -10~-20 kPa → 最大 -90 kPa
- FORMART 2 → FORMART 3
- ハイブリッドデュアルポンプ → 単一300W真空ポンプ
- 最大 -90 kPa → 最大 -92 kPa
- 曲線に凹みあり → 単一の連続した傾き
外付け掃除機・ハイブリッドポンプ・単一真空ポンプはどう選ぶ?
真空成形をまず体験したい場合や、高い真空度を必要としない場合は、外付け掃除機を使用する機種も選択肢になります。装置本体でより高い真空度を確保したい場合は、真空ポンプ内蔵型が適しています。さらにハイブリッドポンプと単一真空ポンプを比較する場合は、最高真空度だけでなく、成形工程全体におけるPressure–Flow Curveの流量変化も確認することが重要です。
| 真空源の方式 | 適した用途 | 選ぶ際のポイント |
|---|---|---|
| 外付け掃除機 | 入門・基本的な真空成形 | 掃除機を別途用意する必要があります。MYYARDの過去のテストでは約 -10~-20 kPaでした |
| ハイブリッドポンプ | 外付け掃除機を使わず、真空源を本体に内蔵したい場合 | 最高真空度だけでなく、異なるポンプの動作領域によって形成されるPressure–Flow Curveも確認する必要があります |
| 単一真空ポンプ | 真空源を本体に内蔵し、初期流量から高真空領域までの吸引特性を重視する場合 | 最高真空度に加え、Pressure–Flow Curveが連続した流量変化を示すかどうかも比較できます |
入門用途なら、掃除機を使う真空成形機でも十分ですか?
真空成形をまず体験することが目的で、高い真空度を必要としない場合は、外付け掃除機を真空源として使用する方法もあります。
MYYARDの旧モデル FORMART Liteも外付け掃除機方式を採用しており、テスト時の真空度は約 -10~-20 kPaでした。この方式では掃除機を別途用意する必要があるため、購入前に装置本体に真空源が含まれているか確認することも重要です。
真空ポンプ内蔵型を選ぶべきなのはどんな場合?
別途掃除機を用意せず、装置本体でより高い真空度を確保したい場合は、真空ポンプを内蔵した真空成形機が選択肢になります。
MYYARDの製品を例にすると、FORMART Sは単一真空ポンプを内蔵し、最高真空度は -90 kPa。FORMART 3は単一300W真空ポンプを採用し、最高 -92 kPaに到達します。
そのため、「外付け掃除機が必要かどうか」を最初の判断基準にできます。内蔵式の真空源を選ぶ場合は、さらにポンプ構成とPressure–Flow Curveを比較します。
内蔵真空源なら、ハイブリッドポンプと単一真空ポンプのどちらを選ぶ?
2台の最高真空度が近い場合、kPaの数値やポンプの数だけでは判断できません。Pressure–Flow Curveも比較する必要があります。
FORMART 2とFORMART 3を例にすると、FORMART 2はDCブラシレスポンプ+AC誘導式真空ポンプによるハイブリッドデュアルポンプを採用し、最高真空度は -90 kPaです。一方、FORMART 3は単一300W真空ポンプを使用し、最高真空度は -92 kPaです。
最高真空度の数値は近いものの、MYYARDのPressure–Flow Curveを見ると、FORMART 2では異なる動作領域の間に明確な傾きの変化があります。一方、FORMART 3は初期流量約110 L/minから最高 -92 kPaまで、連続した単一の傾きを示します。
真空成形中、プラスチックシートは吸引や金型との接触によって継続的に放熱します。そのため、内蔵真空源を比較する際は、「最終的にどこまで真空度を上げられるか」だけでなく、吸引開始から高真空領域に入るまでの流量変化全体を見ることも重要です。
真空成形機の真空源はどう選ぶ?用途・真空度・Pressure–Flow Curveで比較
簡単にまとめると、入門用途で高い真空度を必要としない場合は外付け掃除機も選択肢になります。外部機器を接続せず、より高い真空度を得たい場合は、真空ポンプ内蔵型が適しています。どちらも真空源を内蔵している場合は、ポンプの数だけで判断せず、ハイブリッドポンプと単一真空ポンプのPressure–Flow Curveをさらに比較します。
MYYARDでは、FORMART Liteの外付け掃除機からFORMART Sの単一真空ポンプ内蔵方式へ、またFORMART 2のハイブリッドデュアルポンプからFORMART 3の単一300W真空ポンプへと発展してきました。これらの異なる構成と実際のPressure–Flow Curveを通じて、真空を形成する過程における各真空源の違いを比較できます。
真空成形機を選ぶ際は、次の3点を順番に確認すると比較しやすくなります。外付け掃除機が必要か、最高真空度はどの程度か、そして吸引開始から高真空領域までPressure–Flow Curveがどのように変化するか。





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