UV印刷済みのプラスチックシートも真空成形できる?PETシートの成形事例
UV印刷では、プラスチックシートの表面に文字やデザイン、カラーを直接印刷できます。では、製品に立体形状が必要な場合、UV印刷済みのプラスチックシートを、そのまま真空成形することはできるのでしょうか?
今回は、MYYARDで実際に行った興味深いテスト事例をご紹介します。お客様が希望されたのは、コンタクトレンズ製品の展示用トレイの製作です。事前にUV印刷を施したPETシートをお持ち込みいただき、印刷後のシートを真空成形できるかテストしました。FORMART 3 スマート真空成形機とアルミ金型を使用して実際に成形しました。
PETシートを加熱して真空成形したところ、シートは金型に沿って成形され、平面上に印刷されていたデザインもシートの伸びに合わせて立体形状へと変化しました。

先にUV印刷、その後に真空成形
一般的な真空成形では、熱可塑性プラスチックシートを成形に適した状態まで加熱し、真空によってシートを金型に密着させます。
今回の製作では、真空成形を行う前にPETシートへUV印刷を施しています。
PETシート → UV印刷 → 加熱 → 真空成形 → 完成
この方法では、印刷されたデザインをシート上に残したまま、シートと一緒に立体成形できます。印刷表現と立体形状を組み合わせたい製品では、成形後に表面へ印刷する工程を減らせる可能性があります。
今回のコンタクトレンズ製品の展示用トレイもこの方法を利用し、平面だったUV印刷済みPETシートを立体的なトレイに成形しました。
(トレイの設計・試作から量産までの流れについては、カスタムトレイ開発事例もご覧ください。)

真空成形すると、印刷デザインも一緒に伸びる
真空成形では、PETシートが金型の高さや深さ、形状に応じて伸びます。そのため、シート表面のUV印刷も材料と一緒に伸びていきます。
今回の成形品でも、平面のPETシートに印刷されていたデザインが、成形後はトレイの立体形状に沿って変化していることが確認できます。
この変化は、印刷済みシートを使った製品を設計する際に、あらかじめ考慮しておきたいポイントです。
装飾を目的としたデザインであれば、多少の伸びが全体の見た目に大きく影響しない場合もあります。一方、ロゴや文字、円形など位置や形状を正確に見せたいデザインでは、成形後の位置や比率の変化を考慮して印刷データを設計する必要があります。
FORMART 3 実際の真空成形動画 🎬
UV印刷済みPETシートをFORMART 3とアルミ金型で真空成形した実際の工程を動画でご覧いただけます。
UV印刷済みシートを真空成形する際の注意点
今回のテストでは、使用したPETシート、UV印刷、成形条件の組み合わせで問題なく真空成形できることを確認しました。ただし、材料や印刷条件が変われば、成形結果も変わる可能性があります。
真空成形中は、UVインクもプラスチックシートと一緒に加熱され、引き伸ばされます。一般に、金型が深く、形状が複雑なほど、部分的にシートが大きく伸びる場合があります。仕上がりは、シートの材質、UVインク、印刷方法、金型形状、成形条件などの影響を受けます。
実際の製品に採用する場合は、本番で使用するシート、印刷方法、金型を使って事前にテストすることをおすすめします。成形結果を確認したうえで、デザインの位置やサイズを調整すると、より狙った仕上がりに近づけられます。テスト前には、PET真空成形シートの材料・加工仕様もご確認ください。
どんな製品に活用できる?
「先に印刷し、その後に真空成形する」方法は、平面のグラフィックと立体的なプラスチック形状を組み合わせたい製品に活用できます。例えば、展示用トレイ、ブリスターパッケージ、商品展示パーツ、その他のカスタム成形品などが挙げられます。
製品開発の段階で真空成形を行い、印刷デザインがどの程度伸びるかを確認しておけば、その結果をもとに印刷データや金型設計を調整することもできます。






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